2008 年 10 月 29 日 by jmiu-ibm 








3QのJapan IOTの業績が悪かったことから、組合が危惧していた通り、近年にはない大掛かりなリストラがスタートした模様です。
具体的には、USでIBMのトップマネジメントが証券アナリストに話した内容の中に次のような一節があります。
「日本で「キャリア選択援助計画」を終了させる。浮いた1億ドルの多くを日本での「Workforce Action」(=リストラ)に使い、日本IBMの収益構造をより競争力のあるものにする。」
日本IBMのリストラの歴史
日本IBMのリストラが始まったのは今から17年前ですが、日本で初めてリストラをスタートさせたのも17年前の日本IBMです。
始まった当初は社員に広く希望退職を募っていましたが、すぐに公募での希望退職は会社にとって都合が悪かったのか止めてしまいました。
その後は、退職に追い込みたい社員を人事がリストアップし、部門はリストに基づいて対象者を個室に呼んで所属長と当人、時には、所属長の上司と所属長の二人が法令順守を標榜する会社とは思えないような誹謗中傷、脅しなど人間の尊厳を傷つけるような悪辣な態度と言葉で社員を退職に追い込む悪行を会社公認で行ってきました。
社員が暗くなった元凶
それでも、退職に応じない社員に対しては、幾度となく本人が退職に同意するまで、そして、時には理事までもが自分の勤務先の事業所に呼びつけて精神的に追い詰めます。
日本IBMのリストラの問題点は、削減人数が決まると部門ごとに人数が割り振られ、その目標が達成できないと管理職の責任が問われる為、脅迫などの脱法行為をしてでも自身の身分を守る為の行動に出ることです。そして、その行為を会社が黙認する事も問題です。
リストラで使用される「アメとムチ」
ここに、今回、組合に寄せられた退職勧奨の被害に今現在遭っている社員から、会社が「アメ」と「ムチ」をどのように使い分けているか報告を受けました。
アメは退職割増金で年齢に応じて金額が異なります。過去の最高額は24ヶ月で、それを上回る事は今回も無いと思われます。(※追記:年齢等により9~15ヶ月が提示されることが多いようです)
一方の「ムチ」ですが、今回の特徴は「退職しなければ降格させる」とか、降格を脅しに使っている点です。その他は例年通りで、「このまま会社に残っても年収が目減りするだけ」「将来あなたにやってもらう仕事が無くなる」「IBM以外のキャリアも考えてみませんか」と言った言葉が使われているようです。酷い例だと、「残ると最悪の事態を招く事になる」と、どこかの世界の話かと信じられないような事を言う管理職もいるようです。
一人で悩まないで相談して下さい
しかし、まだ、断片的な情報しか組合には入っていません。と言うのも、被害に遭われている社員が悩みを自身で抱え込んでしまうからです。
会社から退職を求められるのは「自分の努力が足りなかった」とか「能力が無いから」と一人で思い悩み、家族や組合など、親身に話を聞いてくれる人・組織に相談しないからです。 恥とは思わずに(恥と思わないといけないのは会社と上司です)、是非、相談されることをお勧めします。
02 時 28 分 | カテゴリ: ’08-4Q リストラ |
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2008 年 10 月 4 日 by jmiu-ibm 








2002年12月の「会社分割法」「労働契約承継法」に基づく日本アイ・ビー・エムからのHDD部門の分割、そして6日間のちに日立製作所へ売却、という事態から五年半。横浜地裁・東京高裁での不当判決を経て、日立GSTで働く9人の組合員は、この問題を最高裁判所に上告しています。
「かいな」では、3回に分けて、原告お呼び弁護団の主張を、できるだけわかりやすく、図表を使いながら解説していきます。
表1 上告理由の要旨
| 項目 |
内容 |
| 「承継拒否権」の「解釈誤り」と、「会社分割法制」の「合憲的限定解釈(=注1=)」 |
憲法第22条第1項(職業選択の自由)、第27条第1項(勤労の権利)などに照らして、労働者側に一方的に不利な解釈をしている。 |
| 「適用違憲(=注2=)」の問題 |
「商法等改正法附則」第5条に定められた「個別協議」において、説明義務が十分に果たされていないため、民法第625条第1項に定められた「移籍時の従業員の同意原則」および憲法上の職業選択の自由を制約できるための適用条件を満たしていない。 |
今回は、「上告理由書」の内容を踏まえて、その理由のひとつ、「職業選択の自由」に関する論点を見ていきます。
「職業選択の自由」をどう考えるのか
表2 「職業選択の自由」に関する解釈の違い
| 労働契約承継時 |
退社する自由 |
分割もと会社に残る自由 |
| 地裁・高裁判決 |
○ |
× |
| 原告・弁護団 |
○ |
○ |
地裁・高裁判決は、ともに「労働契約承継」によって設立会社等(=分割された方の会社)に承継された労働者は、「退社(=退職)の自由」はあるが、分割会社(=分割もとの会社)に残ることは認められない」としています。
しかし、これは憲法第22条第1項に定められた「使用者の選択の自由(=職業選択の自由)」を制限するものであり、労働契約承継を伴う会社分割に先だって行われる個別協議においてこれを承諾しなかった(=承継拒否権を行使した)者については「退社の自由」しかない、とするのは憲法第27条第2項に定められた「勤労(労働)の権利」の保障義務に違反する(すなわち「違憲」)である、というのが私たち原告の主張です。
そして、上告理由書においては、労働者が担当していた業務が他社への分割により存在しなくなることから、配転や整理解雇のリスクを念頭に置いて承継を拒否した労働者に対しては、整理解雇はその「解雇四要件」に照らして行われなければならず、日本アイ・ビー・エムにあってはこの解雇四要件を満たさないため当然「配転」によって対処されるべきだ、としています。
表3 「整理解雇の四要件」
| 要件 |
解説 |
| 人員整理の必要性 |
人員削減をしなければ経営を維持できないほどの必要性があるのか? |
| 解雇回避努力義務の履行 |
他のあらゆる手段について検討を尽くしたのか? |
| 被解雇者選定の合理性 |
解雇するための人選およびその基準は合理的で公平だったのか? |
| 手続の妥当性 |
当事者の納得が得られるまで説明・協議を尽くしたのか |
次回は、もうひとつの論点である「従業員の同意なしでの移籍」を認める条件について、ならびに高裁判決で新たに提示された「不利益当然甘受論」など今後の同様案件に影響を及ぼす論点を見ていきます。そして三回目は、「会社分割」「労働契約承継」を認める悪法をやめさせる取り組みについて述べます。
注1 : 法律適用の前提となる法律解釈が一義的に決定できない場合で、かつ、当該法律が違憲となる解釈が存在するような場合に、これを合憲的に解釈する解釈方法。言い換えれば、「普通に解釈したのでは違憲になりかねない法令なので、適用時には違憲にならないように(限定的に)解釈すべきである」という論理。
注2 : 法令自体は合憲であるが(※上告理由書上では「~であったとしても」)、その法令を当該事件の当事者に適用する限りにおいて違憲とするもの
07 時 31 分 | カテゴリ: 争議(IBM) |
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